2024.03.10 Sunday
どっちがいいの?吹付断熱とグラスウール断熱材それぞれの特徴と違い
Category : お役立ちコラム
昨今の高断熱住宅において、断熱方式も様々あることはご存知ですか?主流の断熱方式であるウレタン吹付断熱と、グラスウールを中心とした充填断熱の特徴・メリットやデメリットを解説していきます。それぞれの断熱方式の注意点なども知っておきましょう。
昨今、新築では「断熱」がキーワードとなっていますが、断熱材にも色々な種類があるってご存知ですか?
今回は様々な断熱材の種類、それぞれのメリットや使い方などまで、わかりやすく解説していきます。
それでは、今回の記事のポイントをお伝えしていきます。
1. 吹付断熱とは
出典:リフォーム産業新聞
吹付断熱とは、上図のように職人さんが現場で断熱材のもとになるウレタンを、壁・天井などの内部に吹き付けていく断熱方式です。
ウレタン吹付断熱は、東日本大震災でのグラスウールをはじめとした断熱材の供給不足をきっかけに広まったとされています。
昔は職人さんのレベルなどでもバラつきが大きかったですが、昨今は一般の工務店・ビルダーでは主流の断熱方式となっているため、施工レベルも平準化されてきています。
それでは、吹付断熱のメリットとデメリットをみていきましょう。
1-1. 吹付断熱のメリット
吹付断熱のメリットは以下の2つです。
・気密性を高めやすいこと
・防音性が高まる
断熱材は、「厚み」と「素材自体の熱の通しにくさ」に比例してきますが、もう1つのポイントとして「気密が取れていること」が、住み心地に直結するポイントになってきます。
せっかく断熱性能の高い断熱材を使っていたとしても、しっかり充填されていなかったり、スカスカな場所があったりすると、設計通りの断熱効果が生まれなかったり、時には結露などのリスクが発生します。
吹付断熱は現場で職人さんが確認しながら吹き付けていき、構造躯体の細かい部分まで断熱材が膨らんでいくことで隙間を埋めていきます。
そのため、構造の気密性が上がり壁内結露のリスクを低減したり、同時に防音性が高くなります。
気密性がいいと、外に音が漏れにくい・外の音が入り込みにくくなる、という効果があります。
1-2. 吹付断熱のデメリット
吹付断熱のデメリットは、一般的なグラスウールと比べるとコスト面で少し高くなる点です。
ただ昨今は普及も進んできたため、10年以上前に比べれば価格は手頃になってきており、そこまで気にする程の差額ではなくなってきています。
ただ、壁内結露のリスクが伴う現場施工の充填断熱の耐久性と比べてみると、長い目で見たときには安く済む可能性もあり、断熱材の種類や施工方法は耐久性にも影響してきます。
1-3. 100倍発泡と30倍発泡の違い
画像引用:DIYラボ
吹付断熱は、ウレタンを吹き付けるとモコモコと膨れますが、100倍に膨れるものと30倍に膨れるものがあります。
温度の高い原液を構造躯体に吹き付けると、内部に気泡ができて膨らみ固まるようになっていますが、この膨張率で差があるのです。
簡単に違いをお伝えすると、100倍タイプの方がたくさん膨らむため安価に施工できます。
一方、30倍タイプはより凝縮されているような構造になっており、100倍タイプより断熱性能が高くできる反面、コストも高くなります。
ZEHレベルの住宅であれば、100倍でも十分性能基準を満たすことができますが、超高断熱の家を考えている場合は30倍での施工をする、など性能に合わせて使用する形になります。
2. グラスウール(充填断熱)とは
画像引用:ソノーライズ
グラスウールとは、一般的に黄色や白色の布団のような外観をしている断熱材です。
この素材となる繊維は、ガラスを原料とした素材になっており、この繊維の密度および厚さによって断熱性能や価格が異なってきます。
住宅業界では、昔から主流の断熱材として活用されており、今でも大手ハウスメーカーを中心に採用が多い断熱材です。
このグラスウールおよび繊維系を中心とした布団のような断熱材は、現場で壁の中にサイズに合ったものを入れていくことから充填断熱とも呼ばれています。
それでは、グラスウールのメリットとデメリットを見ていきましょう。
2-1. グラスウールのメリット
グラスウールのメリットは下記の通りです。
・コストがリーズナブルでも性能がしっかり出せる
・無機素材のため経年変化が少ない(水分対策がされていることが前提)
・増築やリフォームの際に取り換えがしやすい
グラスウールは今でも多く使われている断熱材で、多く普及していることからリーズナブルな価格が魅力です。
また安いだけでなく、密度の高いタイプを選ぶことで断熱性能もしっかり確保できます。
そして素材自体はガラスを原料としている無機素材のため、経年での劣化がしにくいだけでなく、燃えにくい・害虫に強いといった側面もあります。
吹付断熱との大きな違いは、多くのグラスウールは袋に入った形状になっており、リフォームなどの際にスポっと交換ができる点です。
そのため、増築や改築の予定がある方は、グラスウール素材の方が向いている可能性もあります。
2-2. グラスウールのデメリット
画像引用:EMセルロースファイバー
一方でグラスウールのデメリットは、水分に弱いことです。
通常は壁の中に入っているため、水分に晒されることはありません。
水分と聞くと「雨漏り?」と想像する方もいらっしゃると思いますが、雨漏り以外にも壁の中に水分が発生する現象があります。それを「壁内結露」と言います。
壁内結露は、その字の通り壁の中で結露が発生して、壁の中が濡れる、そしてカビや劣化の原因に繋がるといった現象になります。
壁内結露は夏型・冬型と両方あり、様々な条件によって発生しますが、原因の大きくは気密性です。
気密性がよくないと、壁の中に室内空気が入り込み、温度差が生じる部分で結露が発生します。
もちろん、しっかり気密性を確保した施工をしていれば問題ないですが、このようなデメリットを抑えているハウスメーカーを選ぶと良いでしょう。
3. まとめ
西尾市で土地・建売を展開している大信では、自社物件では吹付断熱・充填断熱の両方を採用しており、新たに施工する建物はZEH基準をクリアした高性能住宅になっています。
今回の記事では、どちらが良い / 悪い という内容ではなく、それぞれの断熱方式における注意点を踏まえたメリット・デメリットを紹介しました。
もっとも、断熱方式は構造躯体の関係から選べないこともあるかと思いますが、注意点を知っていれば精度の高い施工がされているか、などが確認すべき項目がわかったのではないでしょうか。
西尾市周辺で新築を考えている方は、土地から建売までお気軽に大信までご相談ください。