2024.09.16 Monday
ガスとオール電化どっちがいいの?
Category : お役立ちコラム
オール電化とガスどっちがいいのかな?と悩んでいる方向けの記事です。災害時にオール電化は不安、IHやエコキュートって電気だけどなんとなく大丈夫?といった疑問をお持ちの方にもおすすめの内容です。優先したい項目ごとに、どちらが良いかも紹介します。
今回は、ガスとオール電化どっちがいいのか?について解説していきます。
オール電化は電気だけで災害時に不安…、IHは火力が弱そう…なんて思い込みを持っていませんか?
客観的なデータを基に、どちらが皆さんの希望に合っているか?ぜひ参考にしてみてください。
それでは、今回の記事の要点から見ていきましょう。
1. オール電化とは(基礎編)
まず基本的なポイントから解説していきます。
オール電化とは文字通り、家のライフラインでガスを使わず電気のみで構成している状態を指します。
アパートなどの賃貸でお住まいの方であれば、給湯もコンロもガスを使っている方が多いのではないでしょうか。
そんな方であれば、使い慣れないIHやエコキュートとはどんなモノか?基本的なところからみていきましょう。
1-1. IHクッキングヒーターとは
出典:パナソニック
IHクッキングヒーターとは、電気を利用して鍋を温めて、調理できるようにする器具です。
具体的な構造は割愛しますが、鍋自体を温める仕組みになっており、IH機器自体が発熱するわけではありません(ラジエントヒーターを除く)
ここで多くの方が心配になる電気代は、月に約1,000円程度と考えてもらえると良いでしょう。
多くの電気を使いますが、調理中のみのため短時間になっており、電気代にするとガスコンロで使うガス代と差異はそこまでありません。
注意点としては使えない鍋があることです。
出典:パナソニック
一般的に磁石でくっつく鍋が対応している鍋となっています。
オールメタルと呼ばれる高級機種の場合、アルミ鍋や銅鍋も対応していますので、こだわりの鍋がある方は「オールメタル対応のIH」を選びましょう。
1-2. エコキュートとは
出典:パナソニック
エコキュートは、上図の左側のヒートポンプと右側のタンクがセットで成り立つ給湯器です。
左側の室外機で熱を発生させ、タンクにたまっている水を高温のお湯に変えます。
タンクの容量は一般的な3~4人家族であれば370Lタイプ、5人以上やお湯はりを2回以上される方などは460Lタイプがおすすめです。(550Lという機種も存在しますが滅多にない)
エコキュートのタンク内にたまっているお湯は60℃~80℃という高温のお湯がたまっており、このお湯を水と混ぜて40℃前後のお湯にします。
そのため、370Lであれば実際に使えるお湯としては700L以上使えるようになっており、普通の生活ではお湯切れはほとんど起こりません。
また、オール電化の場合、深夜時間帯に電気の単価が安くなる契約があり、多くの方が時間帯別契約(中部電力ではスマートライフプラン)にされます。
その深夜時間帯にお湯を作り出すことで、リーズナブルにお湯を作ることができます。
月々の電気代としては季節によって変動しますが、だいたい2,500円ぐらいです。
2. 最新のガス機器
出典:リンナイ
一方、設備機器が進化しているのはオール電化機器だけではありません。
ガス給湯器も進化しており、昨今の新築に採用される高性能なガス給湯器は、エコジョーズと呼ばれるものが多いです。
エコジョーズとは従来型給湯器に比べて、熱の回収効率がいいガス給湯器です。
出典:リンナイ
具体的には、いずれの給湯器も水道管に流れる水をバーナーで温めているわけですが、エコジョーズは熱を2回回収する仕組みになっています。
これによって、従来機種の熱効率が80%だったのに対し、エコジョーズは95%となっており、ガスの使用量を抑えることができます。
昨今の新築は多くがエコジョーズになっており、ガスでも省エネ性が高い機器があります。
3. オール電化・ガス、あなたならどっち
つづいて、基本的なポイントを抑えた後、最終的にどっちがいいの?という本題に入っていきます。
3-1. 経済性を優先するならオール電化
結論から申し上げると、最終的に安いのはオール電化です。
昨今は電気代も上がっているのに?と思う方もいるかもしれませんが、それでもガス併用にするよりランニングコストの圧縮で、最終的に財布から出ていくお金はオール電化の方が少なくなります。
初期の設置費用はガスの方が安くなりますが、光熱費をガス・電気とダブルで払い続けることを考えると、エコジョーズで効率が多少良くなってもランニングコストではオール電化の方が安いです。
出典:パナソニック
昨今の新築ではこのような背景もあり、給湯器は約7割がエコキュートになっています。
3-2. 災害での対策を考えるならオール電化
出典:tenki.jp
2つ目は、災害時の対応についてです。
オール電化にすると電気だけで停電したら困るのでは?と思う方もいるでしょう。
結論から申し上げると、ライフラインで一番早く普及するのは電気のため、オール電化の方が安心感が高いです。
また、仮にガスを併用していても、給湯器は停電している状態では使いモノにならず、コンロが使える程度でしょう。
それであれば、カセットコンロを緊急用に持っておくことで代用ができるわけです。
またエコキュートは上記で説明した通り、お湯をタンクにためているため、断水していなければ、ほとんどのメーカーのエコキュートで蛇口からお湯が出ます。(詳しくは各機種の取扱説明書等を参照)
高温のお湯が出る可能性など若干の注意点がありますが、お風呂1回分のお湯を使うことはできるでしょう。
また、断水している状態でもタンクの下からバケツにお湯を取り出すこともできるため、むしろオール電化の機器は災害に強いと言えます。
3-3. 火で料理したい方・お湯はり3回以上の方はガス
一方で、ガスを選んだほうがいい方は、火で調理をしたい方、もしくはお湯はりを1日に3回以上する方はガスの方がよいと言えます。
前者は、ガスでなければ成し得ないことになるので、中華鍋などで本格的に調理したい方はガスがおすすめです。
昨今のIHでも、鍋振りに対応してきていますが、ON/OFFのブランクがあり鍋の温度が下がりがちです。
また、エコキュートの弱点としては、その使えるお湯の上限が決まっていること。
お湯はりを1日に2回までであれば、370Lもしくは460Lのエコキュートで対応できますが、相当のお湯を使う事情がある方は、ガスの方が安心でしょう。
たくさんお湯を使うと、深夜時間帯を待たずに自動で湯沸かしをし始める場合もありますので、経済性も悪化してくる原因になります。
3-4. シャワーの水圧を気にされる方はガス推奨
ガス給湯器は水道直結のため、最大の水圧でシャワーを利用することができます。
一方、エコキュートは減圧弁という機構で水圧を下げる仕組みになっており、ガス給湯器に比べて水圧が下がります。
エコキュートでは高圧タイプとして水圧を上げているタイプが存在しますが、どうしてもガスの水圧には届かないです。
キッチンや洗面の水栓では差は出ませんが、シャワー圧を気にされる方であればガス給湯器がおすすめと言えます。
4. まとめ
ガスとオール電化、どっちがいいのか?は新築の時によく迷うポイントであります。
特に使い勝手が変わる部分としてはコンロですが、オール電化、ガスそれぞれにメリットがあるため、どちらがご自身に合うか?で決めていきましょう。
IHを使い慣れていない方は、ショールームなどで体験会をやっていることもありますので、気になる方は体感してみてから考えてもよいでしょう。